日本製鉄から流出のシアンの影響は?過去のシアン事故まとめ

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日本製鉄から基準を超える量のシアンが流出していたことが、報じられました。

有害物質シアンは、身体にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

過去にシアンによる健康被害などの影響について、まとめてみました。

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目次

日本製鉄の君津地区で有害物質のシアンが流出!

日本製鉄東日本製鉄所の君津地区(君津市)で、有害物質シアンが流出していたことが報じられました。

今回新たに判明した「16排水口」から検出されたシアンと全窒素の排出基準超過については、2018年2月から今年8月15日まで自主検査として423回の測定を行い、うちシアンは37回、全窒素は168回の基準超過があったと明らかにした。引用:千葉日報

4年も前から測定していたのですね。

同社が実施した水質分析で、シアンの測定値が高く検出された際に報告せず、低い数値を報告していたことが分かったと公表した。引用:千葉日報

どうしてこのようなことになったのでしょう。

シアンは高炉で使用する水に含まれ、施設内の設備のトラブルなどで排水施設に流れ込んだとみられるということで対策はすでに講じたとしています。引用:NHKNews WEB

基準値を超えているとはいえ、健康への影響被害の報告は無いようですね。

再発防止のためにも、今後の調査を待ちたいと思います。

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【事例】過去のシアン事故の影響まとめ

今回報道された、シアンの流出事故による健康被害などの影響は、今のところ何も報告されていないようです。

では一般的にシアンの影響を受けた場合に発生するシアン中毒とは、どのような症状なのでしょうか?

シアン中毒とは、シアン化物を口から摂取したり、シアン化水素ガスを吸い込んだりすることで、細胞呼吸が妨げられ、生体のさまざまな機能が障害されることを指します。引用:医師向け医療情報サービスMedicalNote

過去にシアンの流出による5つの事故から、健康被害などの影響に絞ってまとめてみました。

さっそく見ていきましょう。

①研究業務中に発生したシアン化水素中毒

このケースでは、何かの研究の工程でシアンなどを使用したようですね。

12時頃には作業を終了して、昼食を取った。
昼食後の12時30分頃、にわかに気分が悪くなり、吐き気を感じたので、近くの病院に行ったところ、シアン中毒との診断を受け入院した。 引用:厚生労働省

研究の工程で、反応に使用したシアン化臭素、作業中発生したシアン化ナトリウム、シアン化水素が原因だったようです。

気道から吸い込んだり、口から入ったりしたことでシアンの影響を受けました。

②シアン化ナトリウムなどの毒劇物貯蔵倉庫火災

1980年、愛知県大府市で、有害物質を保管する倉庫が火事になりました。

有害物質の名前は、以下の2つ。シアンですね。

・シアン化ナトリウム

・ポリ塩化ビニル

黒煙が付近の住宅街を直撃し、塩素ガスによる目やのどの痛み多数。大府市が風下の住宅地域約2000世帯、8000人に避難命令、約400人が避難した。倉庫付近の河川では、放水により流出した化学薬品や化学消火剤が流入し、刈谷市境川で魚が大量死。引用:失敗知識データベース

ガスによる目の痛み!

また河川にも影響があるようですね。

③メッキ工場から大量のシアン化ナトリウム流出

影響が記載された一部記事を抜粋します。

原因物質は、シアン化ナトリウムです。

昭和45年10月5日、午後8時頃から翌6日の午前8時の間に、愛媛県松山市内の某メッキ工場から工場内のパイプの継ぎ目のゆるみが原因で、メッキ液(シアン化ナトリウム9.2%含有)が工場内の最終貯留槽をオーバーフローして工場外の農業用水路へ流出したのち、河川へ合流し4.5kmはなれた海(伊予灘)へ至った。

流出経路にあたる農業用水路と河川には、どじょう、ふな、なまず、こい等が大量に浮死しており、かなりの量のシアンが流れ出たことが予想できた。 引用:国立保健医療科学院

④電気メッキ工場からシアン化合物が入間川へ流出

昭和63年に付近の川へ流出したようですね。

今般、埼玉県狭山市に立地する電気めつき施設を有する工場が原因となつて入間川へシアン化合物が流出し、下流の荒川から取水する二浄水場が長時間取水停止を余儀なくされるという事態が生じた。
本件においては人的被害の発生には至らなかつたものの、シアン化合物等の有害物質を大量に使用する工場及び事業場からの有害物質の流出事故等が発生した場合には、人の健康又は生活環境に重大な被害が生ずるおそれがある。 引用:環境省

人的被害は無かったようです。

ただ、浄水場の取水を長時間停止するという、環境への影響が出ました。

⑤シアン化合物による太田川水質汚染事故

1992年に、河川や水路で多数の魚類が死んでいることで、シアンの流出が発覚したようですね。

河川及び水路において、ハヤ・フナなど多数の魚類のへい死が確認。水中よりシアン化合物が検出されたことから、一時的に水道水の取水を停止。汚染源の特定はできていない。 引用:国立保健医療科学院

汚染源の特定ができなかったようですね。

大昔ならなんとなくわかるのですが、1992年の事故で、まだ最近です。

以上です。

ここまで、5つの事例をどんな影響があったのかについて、健康や環境に絞った内容でご紹介しました。

記事の引用リンクから飛んでいただけると、より細かく内容が確認できます。

シアンは、健康被害が早く出て、重篤なものもあるようです。

今後の調査が待たれますね。

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